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働く上で知っておきたい

保険業界での

キャリアコンサルタント谷脇 光洋

保険業界とは、個人や企業の顧客に対し、予測不能なリスクに備える保険商品を提供するサービス業の分類を指します。また、保険業界に属する企業は、保険商品を開発・販売する「保険会社(メーカー)」と、その商品を代理販売する「保険代理店」の大きく2つに分けることができます。

そんな保険業界での働き方は、無形の商材を扱うことに加え、専門性や行動力を求められるイメージから「難しそう」と感じる方も多くいらっしゃると思います。

保険業界に興味がある方や、保険業界での働き方に悩んでいる方へ、
業界に精通したコンサルタントが、保険業界の基礎知識をわかりやすくお伝えします。

Writer Profile

大手生命保険会社に30年以上勤め、営業職・採用・管理職を経験。採用・管理業務においては、数千人もの求職者の面接や社員のキャリアサポートを担う。豊富な経験を活かし、現在は株式会社mitsの代表兼キャリアコンサルタントとして保険業界に特化した転職支援サービスを提供中。

何を売るの?

保険の商品について

保険商品は、大きく分けて生命保険と損害保険の二つに分けられ、一方の保険商品のみを提供する会社もあれば、両方を取り扱っている会社もあります。また、日系の保険会社だけでなく外資系の保険会社やネット型保険を専門に扱う保険会社など、多様な会社が存在しています。

生命保険

人の生死や病気などに関するリスクに備える保険です。代表的なものとしては、定期保険や終身保険、医療保険、年金保険などが挙げられます。

損害保険

物や財産に関するリスクに備える保険です。代表的なものとしては、自動車保険や火災保険、地震保険などが挙げられます。

その他の商品

保険以外にも、住宅ローンや投資信託、確定拠出年金など金融商品を扱う場合もあります。

どこで働く?

保険会社の
種類について

冒頭でもお伝えしたとおり、保険業界の仕組みとして、前項でご紹介した保険商品を企画・販売している保険会社(メーカー)が存在し、さらにそれらの商品を代理販売する代理店というものが存在しています。なお、多くの保険会社は代理店をとおして保険を販売するだけでなく、自社でも営業職員を抱えてます。
また、代理店の中でも一社の保険商品のみを取り扱う「一社専属代理店」と、複数社の保険商品を取り扱う「乗合代理店」という2つの種類が存在しています。

一社専属代理店と乗合代理店の違い

メリット デメリット

一社専属代理店の場合

メリット

保険会社から手厚いサポートを受けながら営業できる。

デメリット
  • 取り扱う保険商品が限られるため、顧客ニーズに柔軟に対応できない場合がある。
  • 販売ノルマが厳しい場合がある。

乗合代理店の場合

メリット

顧客ニーズに合わせて複数の会社の保険商品を比較して提案できる。

デメリット
  • 幅広い保険商品の知識を要する。
  • 保険会社ごとに手続き方法が異なり、事務作業が煩雑化しやすい。

どのように働く?

保険業界の
職種業務内容

保険業界では、多種多様な職種が活躍しています。また、同じ職種でも会社によって独自のポジションが設けられている場合があるため、上手くマッチすれば誰もが活躍できる可能性に満ちています。

保険営業(募集人)

保険営業は、顧客に合う保険商品を提案・販売する仕事です。顧客のライフサイクルや人生相談に乗る、アドバイザーとしての側面もあるため、貢献していることを直に感じられる魅力ある職種です。
しかし、同じ保険営業でも、訪問営業か店舗営業か、個人向けか法人向けかなど、会社によって営業スタイルが大きく異なるため、ミスマッチが発生しやすい職種でもあります。

訪問営業と店舗営業の違い

訪問営業は、顧客の会社や自宅などに訪問して打ち合わせを行います。一方、店舗営業は、店舗に顧客が来店して打ち合わせを行います。

メリット デメリット

訪問営業の場合

メリット
  • 自由にスケジュールを決めて働ける。
  • 自らの裁量で動き、好成績を残せば高い歩合給を受けられる。
デメリット
  • 歩合給のため、収入が安定しない。
  • 飛び込み営業やテレアポで新規開拓する必要がある。

店舗営業の場合

メリット
  • 飛び込み営業などの積極的な営業活動は不要で、比較的安定したな収入を得ることができる。
  • 営業時間の範囲内で働ける。
デメリット
  • 基本的に受け身のため、契約件数や給与を狙って増やすことが難しい。
  • 個人営業がメインのため法人営業を経験できない場合が多い。

個人営業と法人営業の違い

個人営業は、個人向けの生命保険や医療保険などを取り扱い、個人に提案します。一方、法人営業は、社員向けの生命保険のほか、事業保険や賠償責任保険などを取り扱い、企業に訪問して経営者や財務担当者に提案します。

メリット デメリット

個人営業の場合

メリット
  • 取引単価が低く比較的提案がしやすい。また、契約までのプロセスが少ない。
  • 家族や友人への紹介などの人脈で新規開拓しやすい。
デメリット
  • 新規開拓の割合が多い傾向にある。
  • 顧客の経済状況により、途中解約のリスクが高い。

法人営業の場合

メリット
  • 取引単価が高いため、契約数が少なくても高い収入が得られる。
  • 途中解約のリスクが低く、長期的な契約が見込める。
デメリット
  • 取引単価が高いため提案のハードルが比較的高い。また、契約までのプロセスが多い。
  • 経営者や財務担当者と同等以上の専門知識を要する。

一般事務・カスタマーサポート

保険の契約内容の審査・承諾や契約手続き、契約の変更手続き、保険金・給付金の支払い、顧客対応などを行う仕事です。会社によって対応範囲が異なりますが、どの保険会社においても必要不可欠な存在で、事務職員として安定的に働けることが魅力です。

企画・マーケティング

顧客ニーズを分析し、新しい保険商品の企画・開発を担う仕事です。また、自社や取り扱う保険商品の販促活動を実施するマーケティング業務も担います。社会の変化や需要に応じてアイデアを形にすることができ、契約件数や取り扱い保険料総額などの数字で反響を実感できることが魅力です。

IT・システム

保険契約や顧客管理、営業支援ツールなどのシステムを開発したり、開発後の保守・管理を担う仕事です。昨今では、業務効率化やペーパーレス化の推進、ネット型保険の需要向上などによってIT人材の需要は非常に高まっており、市場ニーズの高い職種です。

総務

会社運営のために社内制度の整備やコンプライアンス対応などを行い、社員が快適に働けるよう職場環境を整える仕事です。会社や社員への貢献度が高くやりがいのある職種ですが、一方で会社によっては人事や経理など業務範囲が多岐にわたる場合があります。

人事

新卒や中途の採用活動を実施する他、人材育成や人事評価などを行う仕事です。社員の働きぶりが会社の業績に直接的に影響する保険業界において重要な、社員の採用率・定着率の向上を担う非常に重要な職種です。

働く上で何が大切?

保険業界で働く
魅力注意点

会社や職種によって感じられるやりがいは異なりますが、安定した需要があり顧客の人生をサポートする業務内容であるという点は共通したやりがいと言えるでしょう。
一方で、会社ごとの違いが見えづらい業界のため、自分に合わない会社に入社してストレスを感じてしまうケースが多く見られます。

保険業界で働く魅力

社会情勢に左右されない
安定した需要がある

ライフサイクルの変化にあわせた
契約内容の
見直しにより継続的な
売り上げが見込める

保険金・給付金の支払いで
顧客からの感謝を得られる

個人から経営者まで、様々な業種の
幅広い立場の方と接することができる

保険業界で働く際の注意点

完全歩合制の営業職であれば
収入が安定しない

取り扱っている保険商品によっては
顧客のニーズに対応できない

働き方の自由度が高いため自己管理が重要

会社の運営方針に合わないこともある

業界のこと、会社のこと、 そして自分のこと。

すべてを理解した上で
あなたに合ったキャリアを
実現しましょう。

いかがでしたか?保険業界は会社ごとに扱う商品や特徴が異なるほか、保険営業をはじめとしたさまざまな職種で成り立っており、働く際には業界を深く理解した上で適性をしっかり見極めることが重要です。

株式会社mitsは、保険業界に精通したエージェントがご相談者お一人おひとりに合ったキャリアサポートを行っています。以下のページをご覧の上で、お気軽にお問い合わせください。