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保険業界コラム
2025/10/13保険業界の営業職で働くなら保険会社の営業職か乗合保険代理店か
保険業界で働くきっかけとして「知り合いの紹介で入社した」という人は少なくありません。信頼できる人からの誘いで始める仕事は安心感がありますし、「自分も人に感謝される仕事がしたい」と思える魅力的なスタートです。しかし、実際に働き始めてから「思っていたのと違った」と感じる人も少なくないのが現実です。保険業界と一口に言っても、保険会社の営業職と、複数の保険会社の商品を扱う保険代理店では、仕事内容も働き方も大きく異なります。ここでは、それぞれの特徴やメリット・デメリットを整理しながら、自分に合った働き方を見つけるための視点をお伝えします。
【目次】
保険会社の営業職で働くメリット・デメリット
まず、保険会社の営業職は「自社の保険商品を販売する」ことが基本です。生命保険会社や損害保険会社の一員として、会社の看板を背負い、個人や法人に対して自社商品を提案します。
保険会社の営業で働くメリット
最大の魅力は、保険会社が自信を持って開発した独自の商品を深く理解し、お客さまにしっかりと説明・提案できる点です。提案から契約、加入後のアフターフォロー、さらには保険金や給付金の支払い手続きまで一貫して関わることができるため、「担当してくれた人にすべて任せられる」という安心感をお客さまに与えることができます。また、大手保険会社であれば教育制度や研修が整っており、営業未経験からでも一から学べる環境があります。会社のブランド力があることで信頼を得やすく、個人営業としての基礎を身につけるには最適な職場ともいえるでしょう。
保険会社の営業で働くデメリット
一方で、自社の商品に限定されるため、顧客ニーズをすべて満たせないケースも少なくありません。たとえば「医療保険はA社が良いが、がん保険はB社が良い」といったお客さまの希望に対応できないことがあります。また、販売目標やノルマが明確に設定されていることが多く、「数字を追うプレッシャー」を感じる人もいます。お客さまのためにと思っても、会社の方針との間で悩む場面があるのもこの職種の特徴です。
複数の保険会社の商品を扱う保険代理店で働くメリット・デメリット
次に、保険代理店は「複数の保険会社の商品を取り扱う」立場です。お客さまの状況や希望に応じて、さまざまな保険会社の商品を比較し、最も適したプランを提案することができます。
乗合代理店で働くメリット
お客さまの選択肢が広がり、「本当に必要な保険」を一緒に選べるのが大きな魅力です。近年ではお客さま自身の金融リテラシーが高まり、インターネットで情報を収集し、自分に合った保険を選ぼうとする人が増えています。こうした時代の流れに対応できるのが、代理店営業の強みです。顧客ニーズに合わせて柔軟に提案ができるため、「比較して選べる」点を評価されることが多く、顧客満足度も高まりやすい傾向にあります。さらに、複数の商品を扱うことから、保険だけでなく投資やライフプランニングなど幅広い知識を活かせるのも特徴です。総合的な金融アドバイザーとして成長できる環境ともいえます。
乗合代理店で働くデメリット
その一方で、常に複数の保険会社の商品知識を学び続ける努力が必要です。保険業界では新商品や制度改正が頻繁に行われるため、最新情報をキャッチアップし続けなければ提案の精度が下がってしまいます。また、提携している保険会社ごとに手続きやシステムが異なり、煩雑になりやすい点も負担となります。保険だけでなく、税務・相続・資産形成などの周辺知識も求められるため、幅広いスキルアップが不可欠です。成果を上げるためには「学び続ける姿勢」と「顧客との信頼関係構築力」が欠かせません。
保険業界で働くなら「自分に合ったスタイル」を知ることが大切
保険業界で働くきっかけが「知り合いの紹介」であることは悪いことではありません。むしろ、それだけ信頼関係のある人から勧められる業界というのは魅力的です。しかし、紹介してくれた人とあなたは同じではありません。性格、価値観、得意分野、働き方の希望がそれぞれ違えば、同じ会社でも感じ方はまったく異なります。保険業界で働くうえで大切なのは、「自分にはどんな働き方が向いているのか」を理解することです。数字で結果を追う環境でやりがいを感じる人もいれば、顧客一人ひとりに寄り添いながら長く関係を築くことに魅力を感じる人もいます。とはいえ、業界未経験の方にとって、どちらが自分に向いているのかを判断するのは簡単ではありません。そんなときは、保険業界に詳しい転職エージェントに相談することをおすすめします。エージェントは、各保険会社・代理店の特徴や雰囲気、評価制度まで把握しており、「どんな環境が自分に合っているか」を一緒に整理してくれます。迷ったときこそ、業界を熟知したプロの意見を取り入れることで、自分に合ったキャリア選択ができるでしょう。
まとめ
あなたに合う「保険のかたち」で働くことを知ってください。これからの時代、家族の形や働き方が多様化し、顧客のニーズも複雑になっています。かつてのように「誰にでも当てはまる保険」は少なくなり、個別対応が求められる時代です。この変化に対応するには、単に保険を売るのではなく、「お客さま一人ひとりに最適な提案ができる人材」であることが重要です。保険会社の営業職は、自社ブランドを背負いながら一つの商品を極める専門性があります。一方、保険代理店は、幅広い商品を扱いながら顧客の人生設計に寄り添う総合的な力が求められます。どちらが正しい、という答えはありません。大切なのは「自分がどんな価値をお客さまに届けたいか」という視点です。そして、あなたの魅力を感じ取るのはお客さま自身です。自分が心から納得できる環境で働くことが、結果的にお客さまからの信頼にもつながります。保険業界で働くことを考えているなら、まずは「自分に合うのは保険会社なのか、代理店なのか」。その答えを探す第一歩として、保険業界経験のあるエージェントに相談してみてください。きっと、あなたらしいキャリアの形が見つかるはずです。