News お知らせ・コラム
保険業界コラム
2025/11/30“ノルマの時代”から“相談の時代”へ・保険営業に求められる新しい役割「相続相談」とは
保険業界で営業をしている人、あるいはこれから業界に入ってみようと考えている人の多くは、「ノルマ」という言葉に不安や悩みを抱えています。
「数字が達成できなかったらどうなるのだろう」
「営業に向いていないかもしれない」
そんな気持ちから、業界へ一歩踏み出せない人も少なくありません。
ところが今、実際に忙しく成果を出している保険営業の多くが、“相続の相談”を入り口にした営業スタイルへとシフトしています。
相続? 保険と関係あるの?
未経験者からすると少し意外に感じるかもしれません。しかし、実はこの変化には時代背景・日本の人口構造・税制改正といった確かな理由があります。ここでは、「相続」をテーマに、これからの保険営業に何が求められるのかをわかりやすくまとめます。
【目次】
相続相談を保険営業が“切り口”にする理由
まずは、相続相談がなぜ急増しているのか、その背景を理解することからはじめましょう。
団塊世代が80代へ、日本は「相続が一斉に発生する時代」に突入
日本では2025年前後から、団塊の世代(1947〜1949年生まれ)が80歳に達します。この世代は人口が非常に多く、
•自宅や土地
•不動産収入のある資産
•株などの金融資産
•自営業者であれば事業承継の問題
といった多くの“財産”を保有しています。つまり、いよいよ相続が本格化する時期に入ったのです。
さらに、日本の人口ピラミッドをみると、団塊の世代に続いて人口が多いのが団塊ジュニア(1971〜1974年生まれ)です。こちらは現在40代後半〜50代前半。相続を「受ける側」「手続きする側」として、まさに相談が増えやすい層です。
“相続をする世代”も“相続を受ける世代”も人口が多い層。
相談が増えるのは、ある意味必然といえます。
税制改正で“普通の家庭も相続税が発生しやすい”時代に
2015年の税制改正で、相続税の基礎控除が縮小しました。
控除が小さくなるということは、今まで税金がかからなかった家庭でも相続税が発生しやすくなるということです。
「うちは財産が少ないから大丈夫」と思っていても、
控除額が低くなれば、結果として税金が発生するケースが増えてきます。
さらに2024年4月からは、相続した不動産の登記が義務化されました。
相続で不動産を取得したと知った日から3年以内に手続きが必要で、放置できない仕組みになっています。
インフレで資産評価額が上昇し、相続税対象になりやすい
令和はインフレの時代。物価が上がるということは、
土地や資産の評価額も上がりやすい=相続税の対象になる金額も増えやすい
ということです。
つまり、相続は
•相談したい人が増え
•税金がかかる家庭も増え
•手続きの重要度も増し
•資産価値の変動リスクも高まった
という、まさに“相談が爆発的に増える要素が揃っている”分野なのです。
保険営業は「相続」をわかりやすく伝えられる
保険営業が相続相談に強い大きな理由は、無形の商品をわかりやすく説明する力にあります。
生命保険・損害保険は形のない商品。
だからこそ、保険営業は
• 難しいことを身近にする
• 抽象的なものを具体化する
• お金やリスクのしくみを整理して伝える
という力が鍛えられています。
相続相談は、
1)財産をどう分けるか
2)相続税をどう準備するか
という2つのテーマがあります。
「まだ手にしていない財産」を理解しやすく説明したり、
税金をどのように準備すればいいのかを伝えたりするのは、
実は保険営業が得意とする領域です。
さらに、専門的な手続きは
•税理士
•司法書士
•行政書士
などの士業が担当しますが、保険営業の多くはこうした人脈を持っています。
相続の入り口相談は保険営業が担当し、専門家につなぐ。
この流れが非常にスムーズなのです。
だからこそ、
「保険屋さんに相続を相談したい」
という人が急増しています。
ノルマで悩むより “相談される会社” にいるかで未来が変わる
保険営業で悩む人の多くが「ノルマ」の不安を抱えています。
しかし、本当は“どの会社に所属するか”が非常に重要です。
相続相談に強い会社、
企業の従業員向け相談に強い会社、
保障の提案に強い会社など、
得意分野は会社によって大きく違います。
いま働いている会社、
これから入社を勧められている会社が
どんな相談を得意としているのか
一度しっかり確認してみてください。
相談が増える会社にいれば、
自然と営業の質が上がり、紹介も増え、
ノルマに追われる働き方から“相談される働き方”へと変わっていきます。
まとめ:まずは信頼できるエージェントに相談してみる
大手保険会社で一社専属で働くのも良い選択ですし、
複数社の商品を扱える乗合代理店で働くのも良い選択です。
ただし重要なのは、
保険業界の過去・現在・これからの流れを理解している人に話を聞くことです。
求人サイトだけで判断するのではなく、
業界を熟知したエージェントに一度相談してみてください。
知らなかった選択肢や、自分に合う働き方が見えてきます。
これからの保険営業は、
「売る」から「相談される」へ変化します。
相続ニーズの高まりは、保険営業に新しい役割と可能性をもたらしています。